こんにちは、「多重債務解決ガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
複数の消費者金融や銀行から借金をしていると、毎月の返済額が大きくなり、返済日や借入残高の管理も難しくなります。「銀行カードローンで借金を一本化できないだろうか?」「おまとめローンを利用すれば毎月の返済額を減らせる?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、多重債務の状態でも、銀行カードローンやおまとめローンを利用して借金を一本化できる場合があります。複数の借金を一本化することで、金利が下がったり、毎月の返済額を減らせたりする可能性があります。
ただし、借金が多い場合は審査が厳しくなり、一本化できないケースも少なくありません。また、返済期間が長くなることで、かえって返済総額が増えることもあります。
この記事では、多重債務を銀行カードローンで一本化する仕組みやメリット・デメリット、審査の注意点、一本化できない場合の解決方法について司法書士の久我山左近がくわしく解説します。
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借金の一本化は、あくまでも新たな借入契約による借換えです。


多重債務とは、複数の金融機関などから借金をして、返済の負担が大きくなっている状態をいいます。
例えば、消費者金融3社から合計200万円を借り入れている場合、それぞれの会社に毎月返済しなければなりません。
このような複数の借金を、新たな金融機関からの借入れによって返済し、借入先を一つにまとめる方法が「借金の一本化」です。
銀行カードローンによる一本化の仕組み
例えば、次のような借金があるとします。
| 借入先 | 借入残高 | 年利 |
|---|---|---|
| 消費者金融A社 | 80万円 | 18.0% |
| 消費者金融B社 | 70万円 | 18.0% |
| 消費者金融C社 | 50万円 | 17.0% |
| 合計 | 200万円 | ― |
この200万円を、銀行のおまとめローンなどを利用して年利10.0%で一本化できれば、借入残高を増やさずに金利負担を軽減できる可能性があります。また、返済先が一つになるため、返済管理も簡単になります。
ただし、すべての銀行カードローンが借金の一本化に対応しているわけではありません。
通常のカードローンと、借換えを目的としたおまとめローンでは、利用条件や返済方法が異なるため、商品内容を確認する必要があります。
銀行カードローンとおまとめローンの違い
銀行カードローンは、契約した利用限度額の範囲内で繰り返し借入れができる商品が一般的です。
一方、おまとめローンは、複数の借金を一本化することを目的としたローンです。
| 比較項目 | 銀行カードローン | おまとめローン |
|---|---|---|
| 主な目的 | 自由な資金利用 | 複数の借金の一本化 |
| 追加借入れ | 可能な商品が多い | 原則として不可の返済専用型が多い |
| 借入金の使途 | 原則自由(事業性資金などを除く場合あり) | 既存借入金の返済 |
| 返済方法 | 残高に応じた返済など | 分割返済が中心 |
| 審査 | あり | あり |
多重債務を解消する目的であれば、追加借入れを制限できる返済専用のおまとめローンも有力な選択肢になります。
銀行カードローンで借金を一本化するメリット
借金の一本化には、主に次のようなメリットがあります。
① 金利が下がり利息負担を減らせる
借金を一本化する最大のメリットは、金利が下がる可能性があることです。
消費者金融から年利18.0%で借りている場合、より低金利の銀行ローンに借り換えることで、利息負担を減らせる可能性があります。
ただし、実際に適用される金利は審査結果や商品によって異なります。
必ず金利が下がるわけではないため、借換え前後の金利を比較することが大切です。
② 毎月の返済額を減らせる可能性がある
複数の借金を抱えていると、それぞれの金融機関に毎月返済する必要があります。
例えば、3社に毎月2万円ずつ返済している場合、合計6万円の返済が必要です。これを一本化することで、毎月の返済額を4万円程度に減らせる可能性があります。
毎月の返済負担が軽くなれば、生活費を確保しやすくなるでしょう。
ただし、返済額が減った理由が返済期間の延長である場合、総返済額が増える可能性があります。
③ 返済日や借入残高を管理しやすくなる
複数の金融機関から借金をしていると、返済日が異なるため、うっかり返済を忘れてしまうことがあります。
借金を一本化すれば、返済先を一つにまとめられるため、返済管理が簡単になります。
また、借入残高や完済までの期間も把握しやすくなります。
④ 債務整理をせずに返済を継続できる
借金の一本化は、既存の借金を新しいローンに借り換える方法です。
任意整理や個人再生、自己破産といった債務整理とは異なります。そのため、正常に返済している限り、一本化したという理由だけで信用情報に事故情報が登録されるわけではありません。
ただし、新たなローンへの申込みや契約情報は信用情報機関に登録されます。
銀行カードローンで借金を一本化するデメリット
一本化にはメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。
① 多重債務の場合は審査に通りにくい
銀行カードローンやおまとめローンを利用するためには、金融機関の審査に通過する必要があります。
審査では、一般的に次のような項目が確認されます。
- 年収や勤務先、勤続年数
- 他社からの借入件数
- 借入残高と年収のバランス
- 過去の返済状況
- 信用情報機関への登録内容
特に、すでに返済を延滞している場合や、借入残高が年収に対して大きい場合には、審査が厳しくなる傾向があります。
多重債務の状態でも必ず一本化できるわけではありません。
② 返済期間が長くなると総返済額が増える
借金の一本化によって毎月の返済額が減っても、必ずしも経済的に有利になるとは限りません。
例えば、200万円の借金について、次の条件で返済するとします。
| 返済条件 | 毎月の返済額 | 利息総額 |
|---|---|---|
| 年利15%・3年間 | 約69,300円 | 約49万6,000円 |
| 年利10%・5年間 | 約42,500円 | 約55万円 |
※元利均等返済、毎月返済、ボーナス返済なしの場合の概算です。手数料などは含みません。
この例では、金利が15%から10%に下がっても、返済期間が長くなることで利息総額が増えています。
一本化を検討する場合は、毎月の返済額だけでなく、完済までの返済総額を確認することが重要です。
③ 借金の元金そのものは減らない
おまとめローンは、あくまで複数の借金を一つにまとめる方法です。
借金の元金そのものが減額されるわけではありません。
例えば、300万円の借金を一本化しても、基本的には300万円の元金を返済する必要があります。
すでに返済が困難な状態であれば、一本化だけでは根本的な解決にならない場合があります。
④ 再び借金を増やしてしまう危険がある
銀行カードローンで借金を一本化した後、以前利用していた消費者金融から再び借入れをしてしまうケースがあります。
例えば、200万円を一本化した後に、消費者金融から新たに50万円を借りれば、借金総額は250万円になってしまいます。このような事態を防ぐためには、追加借入れができない返済専用のおまとめローンを選ぶことも検討しましょう。
多重債務でも銀行のおまとめローンの審査に通る?
多重債務だからといって、必ず審査に落ちるわけではありません。
安定した収入があり、これまでの返済に問題がなければ、審査に通過する可能性はあります。
一方で、借入件数が多く、返済のために新たな借入れを繰り返している場合は、返済能力に問題があると判断される可能性があります。
銀行カードローンは総量規制の対象になる?
貸金業法の総量規制では、原則として貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える新たな借入れが制限されています。
ただし、銀行は貸金業法上の貸金業者ではないため、銀行カードローンは総量規制の直接の対象ではありません。
しかし、銀行カードローンなら年収の3分の1を超えて無制限に借りられるという意味ではありません。
銀行も申込者の返済能力を審査しており、過剰な融資を防ぐために独自の融資基準を設けています。
また、貸金業者が提供するおまとめローンについても、一定の要件を満たせば総量規制の例外貸付けに該当する場合があります。
銀行カードローンで一本化できない場合の対処法
借金が多く、銀行のおまとめローンの審査に通らない場合には、債務整理による解決も検討しましょう。
任意整理で将来利息のカットを目指す
任意整理は、弁護士や司法書士などが債権者と交渉し、将来利息のカットや分割返済などを目指す方法です。
一般的には、3年から5年程度で返済できるよう交渉します。
ただし、利息のカットや返済期間については債権者との合意が必要であり、必ず希望どおりになるわけではありません。
個人再生で借金を減額する
個人再生は、裁判所の手続きを利用して借金を減額し、原則3年間で返済する方法です。
例えば、借金が500万円ある場合、一定の条件を満たせば100万円まで減額される可能性があります。
ただし、保有財産の価値や収入、債務額などによって返済額は異なります。
住宅ローン特則を利用できれば、住宅を維持しながら借金問題を解決できる場合もあります。
自己破産で借金の返済義務を免除してもらう
収入が少ない場合や借金が多額で返済の見込みが立たない場合には、自己破産も選択肢になります。
自己破産は、裁判所から免責許可を受けることで、原則として借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
ただし、税金や養育費など、一部の債務は免責されません。
また、一定以上の財産が処分対象となる場合があるため、専門家に相談しながら手続きを進めることが大切です。
借金の一本化と債務整理はどちらを選ぶべき?
銀行のおまとめローンと債務整理のどちらが適しているかは、借入残高や収入、返済状況によって異なります。
| 比較項目 | おまとめローン | 債務整理 |
|---|---|---|
| 借金の元金 | 原則減らない | 個人再生では減額の可能性 |
| 将来利息 | 金利次第で軽減 | 任意整理ではカットできる場合あり |
| 毎月の返済額 | 減額できる場合あり | 手続きによって異なる |
| 信用情報 | 通常の借入情報が登録 | 事故情報が登録される場合あり |
| 利用条件 | 金融機関の審査が必要 | 各手続きの要件を満たす必要あり |
安定した収入があり、金利を下げることで無理なく完済できるのであれば、おまとめローンを検討する価値があります。
一方、毎月の返済のために借金を繰り返している場合や、生活費を確保することも難しい場合には、債務整理による根本的な解決を検討する必要があります。
まとめ|多重債務の一本化は返済総額を確認して判断しよう
多重債務の状態でも、銀行カードローンやおまとめローンを利用して借金を一本化できる場合があります。
一本化によって金利が下がれば、利息負担を軽減できる可能性があり、毎月の返済管理も簡単になります。
しかし、返済期間が長くなることで総返済額が増えたり、追加借入れによって借金が再び増えたりする危険もあります。また、すでに返済を延滞している場合や、借入残高が多すぎる場合には、銀行の審査に通らない可能性もあります。重要なのは、借金を一本化すること自体ではなく、無理なく完済できる返済計画を立てることです。
借金の一本化だけでは解決が難しい場合には、任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理も検討しましょう。
多重債務で返済に悩んでいる方は、借金がさらに増えてしまう前に、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
今回のブログ「多重債務でも銀行カードローンで一本化できる?おまとめローンのメリット・デメリットを解説!」の解説は以上になります。
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それでは、久我山左近でした。












