こんにちは、「多重債務解決ガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
「何社からも借金していて、毎月返済するだけで精一杯……」
「給料が入っても、ほとんど借金の返済でなくなってしまう」
「ここまで借金が増えたら、もう生活を立て直すことはできない?」
多重債務になると、毎月の返済に追われ、「この生活がずっと続くのではないか」と不安になることがあります。
しかし、多重債務になったからといって、生活を立て直す方法がなくなるわけではありません。
大切なのは、さらに借入先を増やして返済を続けることではなく、現在の借金と家計を整理し、自分の収入だけで返済できるのかを判断することです。自力での返済が難しければ、任意整理・個人再生・自己破産などを検討する方法もあります。
今回は、多重債務から抜け出して生活を立て直すために何をすればいいのか、7つのSTEPに分けてロードマップ形式で司法書士の久我山左近が解説します。
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多重債務でも生活を立て直すことはできるのか、解説します。


多重債務になると、
A社を返済するためにB社から借りる
↓
B社の返済が苦しくなってC社から借りる
↓
さらにD社、E社へ……
という悪循環に陥ることがあります。
ここで重要なのは、借金の返済だけを考えないことです。
借金問題を解決する本当の目的は、「借金をゼロにすること」だけではなく、「借金に頼らなくても生活できる状態を作ること」だからです。
そのためには、現在の借金額を把握し、家計を見直し、自力返済が可能なのか、それとも債務整理が必要なのかを順番に判断していく必要があります。
STEP1|すべての借金を書き出す
最初にやるべきことは、現在の借金を正確に把握することです。
多重債務になると、「全部で150万円くらいだと思う」「4社か5社から借りている」というように、借金の全体像が分からなくなっていることがあります。
まずは、
・借入先
・現在の残高
・金利
・毎月の返済額
・返済日
を書き出してみましょう。
たとえば、
A社 50万円 毎月1万5,000円
B社 40万円 毎月1万2,000円
C社 30万円 毎月1万円
D社 20万円 毎月8,000円
E社 10万円 毎月5,000円
なら、借金総額は150万円です。
毎月の返済額は合計5万円。
手取りが18万円なら、返済後に残るのは13万円です。
まずはこのように数字を「見える化」することが、多重債務から抜け出す第一歩です。
STEP2|返済のための借金を止める
次に確認したいのが、「借金を返すために、別の会社から借りていないか」という点です。
たとえばA社への返済が2万円必要なのに手元にお金がなく、B社から2万円借りて返済しているとします。
これではA社への返済日は乗り切れても、借金問題そのものは解決していません。
翌月からはB社への返済も必要になります。さらにB社への返済資金をC社から借りれば、典型的な自転車操業です。
返済→借入れ→返済→借入れを繰り返している限り、多重債務から抜け出すのは難しくなります。
返済のための新たな借入れが必要になっている場合には、「まだ延滞していないから大丈夫」と考えるのではなく、
返済計画そのものを見直す必要があります。
STEP3|毎月の生活費を把握する
借金を整理したら、次は家計を確認します。
家賃、食費、水道光熱費、通信費、保険料、交通費、日用品など、生活するために必要な支出を書き出します。
たとえば手取り18万円で、
家賃 6万円
食費 3万円
水道光熱費 1万5,000円
通信費 8,000円
交通費 1万円
保険料 7,000円
日用品など 1万円
なら、生活費は合計14万円です。残るのは4万円。
ところが借金の毎月返済額が5万円なら、毎月1万円不足することになります。
この状態で「頑張って5万円返済しよう」としても、毎月1万円足りません。
その不足分をカードローンで借りれば、借金はいつまで経っても減らないことになります。
STEP4|毎月いくらなら返済できるか計算する
次に、収入-生活費=返済可能額を計算します。
たとえば、手取り18万円-生活費14万円=4万円なら、毎月返済に回せる金額は最大4万円程度です。
ただし、4万円すべてを返済に回せるとは限りません。
家電の故障、医療費、冠婚葬祭など、生活していれば予想外の出費もあります。
そのため、ある程度の予備費も考える必要があります。
重要なのは、「最大でいくら払えるか」ではなく、「新たな借金をせず毎月いくらなら返し続けられるか」という考え方です。無理に返済額を増やして生活費が不足し、また借りてしまっては意味がありません。
STEP5|自力返済できるかシミュレーションする
返済可能額が分かったら、現在の借金を自力で返済できるか考えます。
たとえば借金150万円に対して毎月4万円返済できるとしても、単純に、150万円÷4万円=37.5か月で完済できるわけではありません。
カードローンやキャッシングには利息が発生するからです。
金利が高ければ、毎月4万円返済していても、その一部は利息に充てられます。
そのため、
・借金総額
・金利
・毎月の返済額
・完済までの期間
・支払う利息の総額
まで確認する必要があります。
特に、何年返済しても完済の見通しが立たない場合や、最低返済額を支払うだけで精一杯の場合には、自力返済以外の方法も検討する必要があります。
STEP6|返済が難しいなら債務整理を検討する
家計を見直しても自力での返済が難しい場合には、債務整理を検討する方法があります。
代表的な方法として、任意整理・個人再生・自己破産があります。
任意整理
任意整理では、司法書士や弁護士などが債権者と交渉し、将来利息のカットなどを目指したうえで、残った元金を分割返済します。
毎月一定額を返済できる収入がある人にとっては、選択肢の一つになります。
ただし、必ず将来利息がカットされるわけではなく、分割回数なども債権者によって異なります。
個人再生
個人再生は、裁判所を利用して借金を大幅に減額し、原則として一定期間で返済していく手続きです。
一定の条件を満たせば、住宅ローンを支払いながら自宅を残せる可能性があることも特徴です。
ただし、すべての借金が単純に一定割合まで減るわけではなく、財産状況などによって返済額が変わる場合があります。
自己破産
返済能力がなく、自力での返済が難しい場合には自己破産を検討することがあります。
裁判所から免責が認められれば、税金など一部の債務を除き、借金の支払義務が免除されるのが原則です。
ただし、財産や資格・職業への一時的な制限など、手続き上の注意点があります。
どの債務整理が適しているかは、借金額だけでは判断できません。
収入、財産、家族構成、住宅ローン、毎月の生活費などを含めて検討する必要があります。
STEP7|借金に頼らない家計を作る
債務整理をすれば、それだけで生活再建が完成するわけではありません。
多重債務になった原因が毎月の家計赤字だった場合、その原因を改善しなければ、再び生活が苦しくなる可能性があります。
たとえば、
・家賃が収入に対して高すぎないか
・スマートフォン料金を下げられないか
・不要な保険に加入していないか
・使っていないサブスクはないか
・外食費や娯楽費が増えていないか
などを確認します。
特に固定費は、一度削減すると毎月効果が続きます。
たとえば毎月1万円の固定費を削減できれば、年間12万円です。
借金問題を解決した後は、そのお金を生活予備費や貯蓄に回すことで、急な出費があったときに借金へ頼らなくても済む家計を目指します。
多重債務から抜け出すためにやってはいけないこと
生活を立て直そうとしているときに、避けたい行動があります。
特に注意したいのは、
・返済のために別の会社から借りる
・新しいカードローンへ次々申し込む
・借金の状況を確認せず放置する
・返済を優先しすぎて家賃や生活費が不足する
・一人で抱え込み、問題を先送りする
といった行動です。
新たに借りることで今月の返済を乗り切れても、翌月以降の負担はさらに大きくなる可能性があります。
「今月をどう乗り切るか」ではなく、「半年後、1年後に借金が減っているか」という視点で考えることが大切です。
多重債務から抜け出すロードマップ
ここまでの流れを整理すると、多重債務から生活を立て直すロードマップは次のようになります。
STEP1 借入先・残高・金利・返済額を全部把握する
↓
STEP2 返済のための新たな借入れを止める
↓
STEP3 毎月必要な生活費を把握する
↓
STEP4 無理なく返済できる金額を計算する
↓
STEP5 自力で完済できるかシミュレーションする
↓
STEP6 難しければ任意整理・個人再生・自己破産を検討する
↓
STEP7 借金に頼らなくても生活できる家計を作る
重要なのは、この順番です。
借金が増えたからといって、さらに新しい会社から借りて問題を先送りするのではなく、現在の借金と家計を一度整理してみましょう。
まとめ|多重債務から抜け出す第一歩は「借りること」ではなく「整理すること」
多重債務になってしまっても、生活を立て直す方法がなくなったわけではありません。
大切なのは、「どこから借りれば今月を乗り切れるか」ではなく、「どうすれば新たな借金をせず生活できるようになるか」という視点に切り替えることです。
まずは借入先、借金残高、金利、毎月の返済額をすべて書き出します。
次に毎月の収入と生活費を確認し、自分が実際に返済できる金額を計算します。
その金額で完済できる見込みがあるなら、返済計画を立てて借金を減らしていきます。
一方、「返済すると生活費が足りない」「A社への返済のためにB社から借りている」「毎月返済しているのに借金総額が減らない」「何年返済しても完済できる見通しが立たない」という状態なら、現在の返済方法を続けることだけが選択肢ではありません。任意整理・個人再生・自己破産などを含め、返済方法そのものを見直すことも必要です。
多重債務から生活を立て直すために重要なのは、借金の問題だけを見るのではなく、家計全体を立て直すことです。
新たな借入れをしなくても生活でき、毎月の収入の範囲内で暮らせる状態を作ることが、借金問題から抜け出すためのゴールといえるでしょう。
自力での判断が難しい場合には、借金がさらに増える前に司法書士や弁護士などの専門家へ相談し、自分の状況に合った解決方法を検討しましょう。
ここまでで、今回のブログ「多重債務でも生活を立て直せる?借金問題から抜け出すためのロードマップ」の解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした!












