こんにちは、「多重債務解決ガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
借金の返済が苦しくなり、消費者金融やクレジットカード会社から毎日のように督促電話がかかってくると、精神的にも大きな負担になります。
「知らない番号から電話がかかってくるのが怖い……」
「仕事中にも督促電話がかかってきて困っている……」
「返済できるお金がないので、電話に出ても仕方がない……」
多重債務に陥ってしまった方の中には、このようなお悩みを抱えている方も少なくありません。
しかし、督促電話を無視し続けても借金問題は解決しません。 むしろ、返済の遅れが長引くことで、残債の一括請求や裁判、最終的には給与や預貯金の差押えにつながる可能性があります。
一方で、借金を返済できない場合でも、適切な手続きを取ることで督促電話を止め、生活を立て直すことは可能です。
この記事では、督促電話を無視するとどうなるのか、督促電話が止まらない場合の対処法、債務整理によって督促を止める方法について、司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
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多重債務になると督促電話が増えるのはなぜ?
多重債務とは、複数の金融機関や貸金業者などから借入れをして、返済が困難になっている状態をいいます。
消費者金融やクレジットカード会社などは、返済期日を過ぎても入金が確認できない場合、債務者に対して電話やSMS、郵便などで返済を求める連絡を行います。
借入先が1社であれば、その会社からの連絡だけですが、借入先が5社あれば、それぞれの会社から督促が届く可能性があります。そのため、多重債務に陥ると、毎日のように複数の会社から督促電話がかかってくることも珍しくありません。また、返済が遅れている期間が長くなると、電話だけでなく、督促状や催告書が郵送される場合もあります。
督促電話が増えているということは、借金問題が深刻化しているサインともいえるでしょう。
督促電話を無視し続けるとどうなる?
返済できる見込みがない場合、督促電話に出ることを避けたくなる気持ちは理解できます。
しかし、電話に出ないからといって借金の返済義務がなくなるわけではありません。
督促を無視し続けることで、次のような問題が生じる可能性があります。
① 遅延損害金が増えて借金が膨らむ
借金の返済期日を過ぎると、契約内容に応じて遅延損害金が発生します。
遅延損害金とは、返済が遅れたことによって発生する損害賠償金のことです。
例えば、借入残高が100万円で遅延損害金の年率が20%の場合、30日間延滞すると、単純計算で約16,438円の遅延損害金が発生します。返済しない期間が長くなるほど、返済すべき金額が増えてしまうのです。
② 信用情報に延滞が登録される
借金の返済を長期間延滞すると、信用情報機関に延滞や異動に関する情報が登録される場合があります。
信用情報にこうした情報が登録されると、クレジットカードの新規作成や住宅ローン、自動車ローンなどの審査に影響する可能性があります。また、現在利用しているクレジットカードについても、利用停止や契約解除となる場合があります。ただし、信用情報への登録条件や登録期間は、信用情報機関や契約内容によって異なります。
③ 借金の一括返済を請求される
通常、借金は契約に従って毎月分割で返済します。
しかし、返済を長期間延滞すると、契約内容などによっては「期限の利益」を失うことがあります。
期限の利益とは、決められた返済期限までは返済を猶予してもらえるという債務者の利益です。
これを失うと、それまで分割払いだった借金について、残額を一括で返済するよう請求される可能性があります。
例えば、毎月3万円ずつ返済していた借金でも、残額が80万円あれば、その80万円と遅延損害金などをまとめて請求される場合があるのです。
④ 裁判所から訴状や支払督促が届く
督促に応じず、延滞が長期間続くと、債権者が裁判所を通じて法的手続きを取る場合があります。
代表的な手続きには、通常の民事訴訟と支払督促があります。特に注意したいのが、裁判所から届く支払督促です。
支払督促を受け取った場合、原則として送達を受けた日から2週間以内に督促異議を申し立てる必要があります。
何も対応しなければ、債権者が仮執行宣言を申し立て、強制執行が可能になる場合があります。
裁判所から届いた書類は、督促電話とは異なり、絶対に放置してはいけません。
⑤ 給与や預貯金を差し押さえられる可能性がある
裁判などによって債権者が債務名義を取得すると、給与や預貯金などに対する強制執行が行われる可能性があります。給与を差し押さえられた場合、勤務先にも差押命令が送達されるため、借金問題を勤務先に知られることがあります。一般的な貸金債権による給与差押えでは、原則として手取り給与の4分の1が差押えの対象となります。
ただし、手取り給与が月44万円を超える場合などには、差押え可能な範囲が異なります。
預貯金についても、差押えの対象となる可能性があります。
このような事態を避けるためにも、早い段階で対処することが重要です。
督促電話は法律で規制されている?
貸金業者による借金の取立てには、貸金業法による規制があります。
貸金業者であれば、どのような方法で督促してもよいというわけではありません。
例えば、貸金業法第21条では、正当な理由がないにもかかわらず、午後9時から午前8時までの間に電話をかけたり、自宅を訪問したりする行為などを禁止しています。
また、正当な理由なく勤務先などに電話をかける行為や、債務者以外の家族などに借金の返済を要求する行為についても規制があります。さらに、債務者が弁護士や司法書士に債務整理を依頼し、一定の要件を満たす通知が貸金業者に届いた後は、本人への直接の返済要求が原則として禁止されます。
ただし、これらの規制は督促電話そのものを全面的に禁止するものではありません。
通常の時間帯に適切な方法で行われる督促は、法律上認められています。
督促電話を止めるにはどうすればいい?
多重債務による督促電話を止めるためには、借金問題そのものを解決する必要があります。
そのための有効な方法が、弁護士や司法書士に相談して債務整理を行うことです。
① 司法書士や弁護士に債務整理を依頼する
債務整理とは、借金の返済が困難になった場合に、返済条件の見直しや借金の減額、免除などを目指す手続きの総称です。債務整理を専門家に依頼すると、通常、専門家から債権者に対して受任通知が送付されます。
受任通知とは、専門家が債務者から債務整理の依頼を受けたことを債権者に知らせる通知です。
貸金業法の適用を受ける貸金業者については、受任通知が届くことで、本人に対する直接の取立てが原則として禁止されます。そのため、これまで頻繁にかかってきた督促電話が止まり、落ち着いて借金問題の解決に取り組めるようになります。ただし、すべての債権者に同じ規制が適用されるわけではなく、受任通知によって裁判や差押えが自動的に停止するわけでもありません。
なお、司法書士が代理人として裁判外の和解交渉を行えるのは、認定司法書士であり、かつ個別の債権額が140万円以下などの条件を満たす場合です。
② 任意整理で毎月の返済負担を軽減する
任意整理とは、債権者と交渉して、将来利息のカットや分割返済などを目指す手続きです。
例えば、借金の総額が180万円あり、毎月8万円の返済が必要だった場合でも、将来利息をカットしてもらい、60回払いで和解できれば、毎月の返済額は3万円になります。ただし、これはあくまで計算上の例であり、利息のカットや60回払いが認められるかどうかは、債権者との交渉によって異なります。
安定した収入があり、返済額を減らせば完済できる見込みがある方に向いている方法です。
③ 個人再生で借金を大幅に減額する
個人再生とは、裁判所の手続きを利用して借金を減額し、原則3年間で分割返済していく方法です。
例えば、借金の総額が500万円の場合、一定の条件を満たせば、返済額を100万円まで減額できる可能性があります。
ただし、実際の返済額は借金総額だけでなく、保有財産の価値や収入などによって異なります。
また、住宅ローン特則を利用することで、一定の条件のもと、住宅ローンを支払いながら自宅を維持できる場合もあります。
④ 自己破産で借金問題を根本的に解決する
自己破産とは、裁判所に申立てを行い、免責許可を受けることで、原則として借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
収入が少ない方や、借金の総額が大きく、任意整理や個人再生でも返済が困難な方にとって、有効な解決方法となります。自己破産をすると、一定以上の財産が処分対象となる場合がありますが、生活に必要な財産をすべて失うわけではありません。また、税金や養育費など、自己破産をしても免責されない債務があることには注意が必要です。
督促電話が止まらないときに注意したいこと
督促電話が続いている場合、次のような対応は避けるようにしましょう。
- 返済できないのに安易な約束をすること:実現できない返済日を伝えても、問題の先送りになってしまいます。
- 別の会社から借りて返済すること:借金を借金で返す状態になり、さらに多重債務が深刻化するおそれがあります。
- 裁判所からの通知を放置すること:法的手続きが進み、差押えにつながる可能性があります。
- 内容を確認せず債務を承認すること:長期間返済していない借金については、消滅時効が成立している可能性もあるため、慎重な対応が必要です。
特に、何年も返済していない古い借金について督促が届いた場合には、消滅時効の援用によって解決できる可能性があります。
そのため、債権者に連絡する前に、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ|督促電話を無視せず、早めに借金問題を解決しよう!
多重債務によって督促電話が止まらなくなると、電話が鳴るたびに不安を感じ、仕事や日常生活にも悪影響が出てしまいます。しかし、督促電話を無視し続けても借金はなくなりません。返済の遅れが長引けば、遅延損害金の増加や一括請求、裁判、差押えなど、さらに深刻な問題につながる可能性があります。
一方で、司法書士や弁護士に債務整理を依頼すれば、受任通知によって貸金業者からの直接の督促を原則として止めることができます。
そして、任意整理・個人再生・自己破産など、自分の状況に合った手続きを選択することで、借金問題の根本的な解決を目指すことができます。
大切なのは、督促電話から逃げ続けることではなく、借金を解決するための第一歩を踏み出すことです。
借金の返済が難しくなっている方や、複数の会社からの督促電話にお悩みの方は、問題が深刻になる前に、借金問題に詳しい司法書士や弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
ここまでで、今回のブログ「多重債務で督促電話が止まらない!無視するとどうなる?督促を止める方法を解説!」の解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした!












