こんにちは、「多重債務解決ガイド」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。
任意整理は、今まで支払っていた利息をカットして月々の返済額を減額することで、ご自身の借金返済のご負担を軽くする手続きです。
任意整理を始めとして債務整理の手続きを取ると信用情報機関に事故情報が登録されますので、約５年程度の期間はローンやクレジットカードの利用ができなくなります。
今回のコラムでは、任意整理するとローンやクレジットカードが利用できなくなる理由について、またクレジットカードが利用できなくなった場合の対処法についても司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
それでは、任意整理でのクレジットカードの取り扱いについて解説をいたしますので、ぜひ最後までお読みください！
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任意整理でのクレジットカードの取り扱いとは？利用できる場合も解説！
クレジットカードは、インターネット上でのショッピングや現金の持ち合わせがない時などに利用することができますので、とても便利なものです。しかし、クレジットカードの使い方によっては、リボ払いなどで借金が大きくふええしまう場合もあります。
クレジットカードのリボ払いが増えた時は、任意整理をすることで借金を減額することが可能であり、これはクレジットカードのリボ払い場合でも同じになります。
今回のコラムでは、任意整理するとローンやクレジットカードが利用できなくなる理由について、またクレジットカードが利用できなくなった場合の対処法についても司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
クレジットカードの任意整理について解説します。
任意整理とは、弁護士や司法書士がご自身の代理人になり、貸金業者やクレジットカード会社と交渉し、無理のない範囲で返済をしてご自身の借金問題を解決する手続きです。
具体的には、弁護士や司法書士が毎月かかっている利息をカットし、３年から５年程度の長期の分割払いで月々の返済の負担を軽くするように交渉し、その減額した返済を続けることで完済する方法になります。
ご自身に約２００万円の借金がある場合だと、一般的な返済は月々約７万円になり、完済までの利息の総額は約５０万円になります。同じ条件で任意整理すると月々の返済額は約３万３千円まで減額されて、さらに完済までの利息の合計はゼロ円になりますので、これだけでも任意整理の借金の減額効果がよく理解できると思います。
任意整理するクレジットカードは利用できなくなります。
任意整理の手続きを取ると、そのクレジットカードは解約扱いとなり利用できなくなります。
任意整理を直接しなかったクレジットカードに関してはそのカードの有効期限までは利用することができますが、更新するときに信用情報を確認された場合はクレジットカードの更新ができなくなる可能性があります。この任意整理をしなかったクレジットカードに関しては、そのまま利用し続けられることも多いのでなんとも言えませんが、それまで返済を滞納していなければそのまま利用できるケースが多いというのが印象になります。
ＥＴＣカードや家族カードも利用できなくなります。
クレジットカードを任意整理した場合には、そのクレジットカードに付随している家族カードも利用できなくなります。ただし、ETCカードは交通事故を防ぐため急なクレジットカードの利用停止はされませんが、ご自身で自主的に利用を停止してください。ETCカードを使い続けていると、クレジットカード会社から法的措置を取られることもありますので注意する必要があります。
クレジットカードに貯まっていたポイントは失効します。
クレジットカードを任意整理した場合には、そのクレジットカードは解約扱いになるために貯まっていたポイントも同時に失効になりますので、ポイントが多く残っているのであれば、任意整理前に使用しておくことをお勧めいたします。
信用情報機関に事故情報が登録される
クレジットカード会社に限らず、任意整理などの債務整理の手続きを取ると信用情報機関に事故情報が登録されます。
信用情報機関の種類と取り扱い業者
| 通称 | 正式名称 | 主な対象業者 |
| CIC | (株)シー・アイ・シー | クレジット会社・消費者金融など |
| JICC | (株)日本信用情報機関 | 消費者金融・銀行など |
| KSC | 全国銀行個人情報信用情報センター | 銀行・信用金庫など |
債務整理の手続きによって、信用情報が回復するまでにかかる期間が変わります。
以下の表で詳細を載せていますので、ぜひ参考にしてください。
| 種類 | 起算日 | CIC | JICC | KSC |
| 任意整理 | 和解成立日 | ５年 | ５年 | ５年 |
| 個人再生 | 手続き開始決定日 | ５年 | ５年 | １０年 |
| 自己破産 | 免責許可確定日 | ５年 | ５年 | １０年 |
上記の表にかかれた期間を経過すると、信用情報機関の記録から事故情報は削除されますので、新たなクレジットカードやローンの利用が可能になります。
クレジットカードが利用できなくなった時の対処法を解説します。
任意整理の手続き後は、その対象になったクレジットカードは利用できなくなります。任意整理後も利用できるクレジットカードが残ればいいのですが、ここではクレジットカードがすべて利用できなくなった場合の対処法についていくつかご紹介いたします。
デビットカードを利用する
クレジットカードとよく似た機能を持つカードに「デビットカード」があります。クレジットカードと同じように実際のお店やネットショッピング、海外においても利用できますが、デビットカードの場合は使用した場合は即時に登録した銀行口座からその金額が引き落とされます。
つまり、デビットカードの利用限度額は銀行口座の残高となり、一般的なクレジットカードとは違って所持している金額以上は利用できません。デビットカードには銀行口座に付帯している「J-Debit」と、VISAやJCBなどのブランド付きデビットカードの２種類があります。ブランド付きデビットカードであれば、海外の加盟店など多くの場所で利用することが可能です。
デビットカードは、キャッシングやリボ払いといった後払いができませんし、作成するときに信用情報を確認することがないため、ブラックリストに登録されていてもデビットカードを作ることが可能です。
ETCパーソナルカードを利用する
クレジットカードがないと困るシーンの代表的なケースが高速道路を利用する際のETCではないでしょうか？以前はクレジットカードがないと利用できなかったETCですが、現在ではクレジットカードのように審査がなく、簡単に作成できるETCパーソナルカードがありますので、ETCに関してもクレジットカードがなくてもそんなに困らなくなりました。
家族カードを利用させてもらう
デビットカードやETCパーソナルカードを利用することでほとんど不便を感じないと思いますが、どうしてもクレジットカードを利用したい場合は家族カードを利用するという方法があります。
任意整理の手続きをとってブラックリストに登録されるのはご自身のみで、家族にはなんら影響はありませんので家族はクレジットカードを利用することも契約することも可能です。家族カードを作ってくれる家族がいるのであれば作ってもらうのも一つの方法になります。ただし家族カードも使いすぎて返済ができなくならないように気を付けて利用する必要があります。
ここまで、任意整理でのクレジットカードの取り扱いについて解説をしてきましたが、以前とは違ってクレジットカードが作れなくなっても困ることがかなり少なくなり、安定した収入さえあれば月々の返済がなくなることの方が遥かに大きなメリットがあると考えられます。
それでは、ここまでで今回のコラムの「任意整理するとクレジットカードは利用できなくなる？対処法を解説！」というテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした。
