こんにちは、「多重債務解決ガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
近年、ネットショッピングを中心に「BNPL(後払い決済)」という支払い方法が急速に広がっています。
クレジットカードを持っていなくても利用できるサービスがあり、商品を購入した後に代金を支払えることから、
若い世代を中心に幅広く利用されています。
しかし、BNPLは便利な反面、使い方によっては多重債務の原因になることがあります。
「数千円の買い物だから大丈夫」「来月の給料で払えば問題ない」と考えて利用を繰り返した結果、複数の後払いサービスの支払いが重なり、生活費まで不足してしまうケースも考えられます。
BNPLの大きな危険性は、少額の支払いを繰り返すことで、気づかないうちに未払い金額が増えてしまうことです。
この記事では、BNPLの仕組みや多重債務につながる原因、支払いができなくなった場合のリスク、借金問題の解決方法について司法書士の久我山左近がくわしく解説します。
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少額の後払いでも、積み重なれば大きな債務になる可能性があります。


1. BNPL(後払い決済)とは?
BNPLとは「Buy Now, Pay Later」の略で、日本語では「今買って、後で払う」という意味です。
商品やサービスを購入した際に、その場で代金を支払うのではなく、翌月などの指定された期日に支払う仕組みです。
代表的なサービスには、次のようなものがあります。
- Paidy(ペイディ)
- NP後払い
- atone(アトネ)
- メルペイのあと払い
これらのサービスは、利用条件や支払い方法、手数料などがそれぞれ異なります。
クレジットカードとの違い
BNPLとクレジットカードは、どちらも代金を後から支払うという点では共通しています。
ただし、BNPLにはクレジットカード番号の入力が不要なサービスや、購入ごとに利用可否を判断するサービスがあります。また、支払い方法によっては手数料が無料になる場合もあります。
一方で、BNPLだからといって審査がないわけではなく、信用情報機関への登録の有無も契約内容によって異なります。
BNPLは現金を借りる仕組みとは限りませんが、後日代金を支払う義務が生じるため、利用しすぎれば借金と同じように家計を圧迫します。
2. BNPLが多重債務の原因になる5つの理由
BNPLは少額の買い物にも利用できるため、支払いに対する心理的な負担が小さくなりやすい特徴があります。
ここでは、多重債務につながる主な原因を5つ紹介します。
① 少額なので借金という意識が薄い
例えば、3,000円の洋服や5,000円の化粧品を後払いで購入しても、大きな負担には感じないかもしれません。
しかし、同じような買い物を毎週繰り返せば、未払い金額は次第に増えていきます。
1回の利用金額が小さいことと、支払総額が小さいことは別の問題です。
② 複数の後払いサービスを利用できる
BNPLには複数のサービスがあり、それぞれ利用可能額や支払日が異なります。
そのため、ペイディで洋服を購入し、NP後払いで日用品を購入するなど、複数のサービスを使い分けることができます。しかし、利用先が増えるほど、毎月いくら支払わなければならないのか把握しにくくなります。
複数の後払いサービスを利用している場合は、未払い残高を合計して管理することが重要です。
③ 支払いを翌月以降に先送りできる
BNPLでは、購入時点で現金が不足していても商品を購入できる場合があります。そのため、「来月の給料が入れば払える」と考えて、予定外の買い物をしてしまうことがあります。
しかし、翌月には家賃や食費、公共料金などの支払いも必要です。
後払いの請求が重なることで生活費が不足し、さらに後払いを利用する悪循環に陥る可能性があります。
④ 分割払いによって支払いが長期化する
BNPLには、一定の条件で分割払いを利用できるサービスもあります。
例えば、6万円の商品を3回払いで購入すれば、1回あたりの支払いは2万円です。
一見すると負担が軽く感じられますが、複数の商品を分割払いで購入すれば、毎月の支払額は増加します。
分割払いを利用する際は、毎月の支払額だけでなく、残りの支払総額を確認することが大切です。
⑤ 後払いの支払いを別の借金で補ってしまう
最も注意したいのが、BNPLの支払いをするために消費者金融やカードローンから借り入れるケースです。
後払いの請求を借金で支払い、その借金の返済のために別の借り入れをするようになると、自転車操業に陥るおそれがあります。この状態が続けば、当初は数万円だった未払い金が、より大きな借金問題に発展する可能性があります。
3. 少額のBNPLでも多重債務になる?
多重債務というと、消費者金融などから数百万円の借金をしている状態をイメージする方も多いでしょう。
しかし、借金の金額が少なくても、複数の支払先があり、返済が困難になっていれば深刻な問題です。
例えば、次のように後払いサービスを利用したケースを考えてみましょう。
| 利用内容 | 未払い金額 |
|---|---|
| 洋服の後払い | 15,000円 |
| 化粧品の後払い | 12,000円 |
| 家電の分割払い残高 | 60,000円 |
| ネット通販の後払い | 18,000円 |
| その他の後払い | 25,000円 |
| 合計 | 130,000円 |
この場合、未払い残高は合計13万円になります。
さらに、スマートフォン料金やクレジットカードの支払いなどが重なれば、毎月の収入だけでは支払えなくなる可能性があります。
重要なのは、借金の金額だけではなく、収入に対して返済負担がどの程度あるかという点です。
少額の後払いでも、複数の支払いが重なれば多重債務につながる危険性があります。
4. BNPLの支払いを滞納するとどうなる?
BNPLの支払いができなくなった場合、一般的には次のような問題が生じる可能性があります。
① 督促の連絡が届く
支払期限を過ぎると、サービス提供会社からメールやSMS、書面などで督促が届くことがあります。
滞納を放置せず、支払いが難しい場合は早めに相談しましょう。
② 遅延損害金などが発生する
契約内容によっては、支払期限を過ぎると遅延損害金や回収に関する費用が発生する場合があります。
滞納期間が長くなるほど、支払総額が増える可能性があります。
③ 信用情報に影響する場合がある
BNPLの中には、契約内容によって信用情報機関に利用状況や延滞情報が登録されるものがあります。
その場合、将来のクレジットカードやローンの審査に影響する可能性があります。
ただし、すべてのBNPLサービスが信用情報機関に登録されるわけではありません。
BNPLの中には、契約内容によって信用情報機関に利用状況や延滞情報が登録されるものがあります。
その場合、将来のクレジットカードやローンの審査に影響する可能性があります。
ただし、すべてのBNPLサービスが信用情報機関に登録されるわけではありません。
長期間滞納を続けた場合、債権者から訴訟や支払督促などの法的手続きを取られる可能性があります。
債権者が債務名義を取得するなどの条件が整えば、給与や銀行預金を差し押さえられるおそれもあります。
5. BNPLによる多重債務を解決する方法
すでに後払いの支払いが難しくなっている場合は、早めに対処することが重要です。
① 後払いサービスの利用を停止する
まずは、新たなBNPLの利用を控えましょう。
後払いで買い物を続けている限り、未払い金額が増えてしまう可能性があります。
② 未払い残高と支払日を整理する
利用しているすべての後払いサービスについて、未払い残高と支払日を確認しましょう。
毎月の収入から生活費を差し引き、実際にいくら返済できるのか計算することが大切です。
③ 任意整理を検討する
任意整理とは、債権者と交渉して返済条件を見直す債務整理の方法です。
BNPLによる未払い債務も、契約内容や債権者の対応によっては任意整理の対象になります。
ただし、少額の債務では専門家への依頼費用とのバランスも考慮する必要があります。
④ 個人再生や自己破産を検討する
BNPL以外にも多額の借金があり、返済が難しい場合には、個人再生や自己破産を検討することもできます。
個人再生は、裁判所の手続きによって借金を減額し、原則3年間で返済する制度です。
自己破産は、裁判所から免責が認められることで、原則として借金の支払義務が免除される制度です。
なお、BNPLで購入した商品については、契約内容によって所有権や返還の問題が生じる場合があるため、専門家に確認することが重要です。
6. BNPLによる多重債務を防ぐためのポイント
BNPLによる多重債務を防ぐためには、次のような対策が有効です。
- 後払いサービスの利用先を増やしすぎない
- 毎月の未払い残高を確認する
- 支払いに必要なお金をあらかじめ確保する
- 分割払いの残高を把握する
- 後払いの支払いを借金で補わない
特に重要なのは、後払いを利用する前に、支払期限までに確実に代金を用意できるか確認することです。
支払いが難しいと感じた段階で利用を見直すことが、多重債務を防ぐ第一歩になります。
7. まとめ|BNPLの少額利用でも多重債務につながる危険性がある
BNPLは、クレジットカードを使わずに買い物ができる便利な決済サービスです。
しかし、後払いだからといって、支払いの負担がなくなるわけではありません。
少額の買い物でも利用を繰り返せば未払い残高が増え、複数のサービスを利用することで支払総額を把握できなくなる可能性があります。特に、後払いの支払いを消費者金融やカードローンからの借り入れで補っている場合は、すでに家計が厳しい状態になっている可能性があります。
BNPLによる多重債務を防ぐためには、利用状況を正確に把握し、返済能力を超えた買い物をしないことが大切です。
すでに支払いが難しくなっている場合でも、任意整理や個人再生、自己破産などによって借金問題を解決できる可能性があります。
後払いの支払いに追われ、生活費まで不足している方は、問題を放置せず、早めに司法書士や弁護士などの専門家へ相談しましょう。
借金の状況に合った解決方法を検討することが、生活再建への第一歩となります。
今回のブログ「多重債務の原因が後払いBNPL?少額の借金が増える危険性を解説します。」の解説は以上になります。
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それでは、久我山左近でした。












