こんにちは、「多重債務解決ガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
「借金が100万円を超えたら多重債務として危険?」
「200万円、300万円くらいならまだ自力で返済できる?」
「いくら借金があったら債務整理を考えるべき?」
複数のカードローンや消費者金融、リボ払いなどを利用していると、借金総額が増えるにつれて「そろそろ危険なのでは?」と不安になる人も多いでしょう。
しかし、「借金が○万円を超えたら危険」という明確な基準があるわけではありません。
同じ100万円の借金でも、年収や毎月の生活費、預貯金などによって返済の難しさは大きく変わります。
多重債務で本当に重要なのは、借金総額そのものより、「現在の収入で生活しながら借金を完済できる状態なのか」という点です。
この記事では、多重債務はいくらから危険なのか、借金総額だけでは分からない5つのチェックポイントについて司法書士の久我山左近が詳しく解説します。
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多重債務は「100万円から危険」という基準はないのです!


「借金100万円ならまだ大丈夫」「300万円を超えたら危険」というように、借金額だけで判断することはできません。
たとえば同じ100万円の借金でも、
Aさん
年収600万円
預貯金300万円
借金100万円
毎月10万円を無理なく返済可能
という人と、
Bさん
年収250万円
預貯金なし
借金100万円
返済すると生活費が足りない
という人では、状況がまったく違います。
Aさんなら短期間で完済できる可能性がありますが、Bさんは100万円でも返済に行き詰まる可能性があります。
つまり、多重債務では、「借金がいくらあるか」だけではなく、「収入に対して借金がどのくらい重いのか」を見る必要があります。
「年収の3分の1」は危険ラインなの?
借金額を考えるとき、一つの数字としてよく登場するのが「年収の3分の1」です。
貸金業法の総量規制では、消費者金融などの貸金業者は、原則として利用者の年収の3分の1を超える貸付けをすることができません。
たとえば、
年収300万円なら100万円
年収450万円なら150万円
年収600万円なら200万円
が一つの基準になります。
ただし、ここで注意したいのは、「年収の3分の1までは安全に借りられる」という意味ではないということです。
総量規制は貸金業者による過剰貸付けを抑制するためのルールです。また、銀行カードローンなど総量規制の対象外となる借入れもあります。
そのため、「年収300万円だから100万円までなら大丈夫」と考えるのではなく、実際の家計から返済能力を判断する必要があります。
借金総額より重要な5つのチェックポイント
では、多重債務が危険な状態になっているかどうかは、何を基準に判断すればいいのでしょうか。
次の5つをチェックしてみましょう。
チェック① 返済すると生活費が足りなくならないか
まず確認したいのが、毎月の収支です。
たとえば、
手取り 25万円
家賃 8万円
食費・光熱費など 12万円
借金返済 8万円
だったとします。
生活費だけで20万円必要なのに、さらに借金返済が8万円あります。
つまり、25万円-20万円-8万円=毎月3万円の赤字 です。この状態では、預貯金を取り崩すか、新しく借金をしなければ生活できません。借金総額が100万円でも、この状態なら注意が必要です。
反対に借金が300万円あったとしても、十分な収入があり、生活費を確保しながら計画的に返済できるのであれば事情は異なります。
まずは、「返済した後に、借金をしなくても次の給料日まで生活できるか」を確認してみましょう。
チェック② 借金を返すために別の会社から借りていないか
多重債務で特に危険なサインが、「借金を借金で返している状態」です。
たとえば、
A社への返済3万円
↓
手元のお金が足りない
↓
B社から3万円借りる
↓
A社へ返済
↓
翌月はB社への返済も必要になる
という状態です。
本人としては毎月返済を続けています。しかし、借金全体を見ると、A社へ3万円返した代わりにB社から3万円借りているため、借金はほとんど減っていません。
さらに翌月、「B社の返済資金をC社から借りる」となれば、借入先まで増えてしまいます。
これは、いわゆる自転車操業の状態です。
借金が50万円でも100万円でも、返済のために新たな借入れが必要になっているのであれば、現在の返済計画を見直す必要があります。
チェック③ 毎月返済しているのに元金が減っているか
「返済日は一度も遅れていないから大丈夫」とは限りません。
特にリボ払いやカードローンを複数利用している場合には注意が必要です。
毎月5万円、10万円と返済しているのに、
1年前の借金 200万円
現在の借金 190万円
という状態になっていることがあります。
利息の負担が大きかったり、返済後に再びカードを利用したりしているためです。
ここで一度、「今の返済方法を続けたら、いつ完済できるのか」を計算してみましょう。
「何年かかるか分からない」「毎月返しているけれど残高を確認していない」という場合には、借入先ごとの残高・金利・毎月の返済額を一覧にすることをおすすめします。
チェック④ ボーナスがないと返済できなくなっていないか
ボーナスを利用して借金を繰上返済すること自体は、有効な返済方法です。
問題なのは、ボーナスが入らないと返済計画そのものが成立しない状態です。
たとえば、
夏のボーナスで30万円返済
↓
毎月の生活費が足りず再び借入れ
↓
借金が増える
↓
冬のボーナスで30万円返済
↓
また借金が増える
という状態です。
これではボーナスのたびに大きく返済しているように見えても、借金問題そのものは解決していません。
また、ボーナスは会社の業績などによって減額されたり、支給されなかったりする可能性もあります。
毎月の給与だけで生活費と返済を賄えるかを確認することが重要です。
チェック⑤ すでに返済が遅れ始めていないか
分かりやすい危険信号が滞納です。
「今月だけ急な出費があって数日遅れそう」という場合と、「毎月どこかの会社への返済が遅れている」という場合では状況が異なります。
特に、
A社の返済が遅れる
↓
翌月B社も払えなくなる
↓
督促が届く
↓
返済するためにC社から借りる
という状態になっている場合には、借金問題が深刻化しています。
滞納を続ければ遅延損害金が発生する可能性があるほか、長期間放置すれば一括請求や裁判手続へ進み、最終的には給与や預金などへの差押えにつながる可能性もあります。
「まだ払えている会社があるから大丈夫」と考えず、1社でも返済が難しくなった時点で借金全体を確認することが大切です。
5つのチェックポイントを一覧で確認
ここまでの内容をまとめてみましょう。
| チェックポイント | 注意したい状態 |
|---|---|
| 毎月の家計 | 返済すると生活費が足りない |
| 追加借入れ | 借金を返すために借りている |
| 借金残高 | 毎月返済しても元金が減らない |
| ボーナス | ボーナスがないと返済できない |
| 滞納 | 返済が遅れ始めている |
もちろん、1つ当てはまっただけで直ちに自己破産が必要という意味ではありません。
しかし、2つ、3つと当てはまる項目が増えているのであれば、現在の返済方法に無理がないか確認したほうがよいでしょう。
借金100万円でも危険な人、300万円でも事情が違う人
たとえば借金100万円でも、
手取り20万円
預貯金なし
毎月返済5万円
返済後は生活費不足
不足分をカードローンで借入れ
なら、借金額以上に深刻な状態です。
一方、借金300万円でも、十分な収入があり、生活費と緊急時の資金を確保しながら毎月安定して返済でき、追加借入れもなく完済時期が明確という場合なら、同じようには評価できません。
つまり、50万円だから安全、300万円だから危険という単純な話ではないのです。
5つに当てはまるなら債務整理も検討しよう
家計を見直しても返済が難しい場合には、借金を増やして乗り切るのではなく、債務整理を検討する方法があります。代表的な方法には、任意整理・個人再生・自己破産があります。
任意整理では、債権者との交渉によって将来利息などをカットし、返済計画を立て直せる可能性があります。
借金額が大きく、通常の返済では完済が難しい場合には、個人再生によって借金を大幅に減額できる可能性があります。
そして収入や財産の状況から返済そのものが困難であれば、自己破産を検討することになります。
どの手続が適しているかは、単純に「借金が300万円あるから自己破産」というように決まるわけではありません。
借金額、収入、財産、毎月返済できる金額、住宅ローンの有無などを総合的に判断する必要があります。
まとめ|多重債務は「いくらあるか」より「返せる状態か」が重要
多重債務には、「借金が○万円を超えたら危険」という明確な金額の基準はありません。
100万円でも返済すると生活費がなくなり、新しい借金をしなければ暮らせないのであれば注意が必要です。
反対に、借金総額がそれ以上でも、十分な返済能力があり、追加借入れをせず計画的に完済できるのであれば状況は異なります。
多重債務で確認したいのは、
①返済すると生活費が足りない
②借金を返すために借りている
③返済しても元金が減らない
④ボーナスがないと返済できない
⑤すでに滞納が始まっている
という5つのポイントです。
なかでも特に危険なのが、「返済 → 生活費不足 → 新たな借入れ → また返済」という状態です。
このサイクルに入ってしまうと、毎月きちんと返済しているように見えても借金はなかなか減りません。
「あといくら借りられるか」を考えるようになったら、「今の借金をどうやって完済するか」へ考え方を切り替えるタイミングです。
自力での返済が難しい場合には、借金がさらに増えたり滞納が長期化したりする前に、任意整理・個人再生・自己破産なども含め、借金全体を解決する方法を検討しましょう。
ここまでで、今回のブログ「多重債務はいくらから危険?借金総額より重要な5つのチェックポイント」の解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした!












