こんにちは、「多重債務解決ガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
「消費者金融3社から借りていて、毎月の返済が大変……」
「おまとめローンで一本化するのと、債務整理するのはどちらがいい?」
「できれば債務整理をせずに借金を解決したい」
複数の金融機関から借金をしている多重債務の状態になると、毎月何度も返済日がやってきて、返済額や利息の負担も大きくなってしまいます。
そこで選択肢になるのが、「おまとめローン」と「債務整理」です。
ただし、この2つは似ているようで仕組みがまったく違います。
簡単にいえば、
「借金を一本化すれば自力で返済できる人」→おまとめローン
「一本化しても完済が難しい人」→債務整理
という考え方が基本です。
この記事では、おまとめローンと債務整理の違いを比較しながら、具体例や診断チャートを使って「自分ならどちらを選ぶべきなのか」を司法書士の久我山左近が詳しく解説します。
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おまとめローンと債務整理は何が違う?
まず知っておきたいのは、おまとめローンと債務整理では借金問題を解決する仕組みそのものが違うということです。
おまとめローンとは?
おまとめローンとは、複数の金融機関から借りている借金を、新しいローンを利用して一本化する方法です。
例えば、
- A社:50万円
- B社:50万円
- C社:100万円
合計200万円を借りているとします。
新しく200万円のおまとめローンを契約してA社・B社・C社を完済し、その後はおまとめローン1社だけに返済していく仕組みです。借入先を一本化することで、「返済日の管理が楽になる」「金利が下がる可能性がある」「毎月の返済額を抑えられる可能性がある」といったメリットがあります。
ただし、重要なのは借金の元金そのものが減るわけではないという点です。200万円の借金をおまとめローンにしても、基本的には200万円を返済しなければなりません。
債務整理とは?
債務整理とは、借金の返済が難しくなった場合に、返済条件や借金そのものを見直して生活を立て直す方法です。
代表的なのは次の3種類です。
任意整理
債権者と交渉し、将来利息のカットや返済方法の変更などを目指す手続きです。
元金については原則として返済していくため、一定の返済能力が必要になります。
個人再生
裁判所を利用して借金を大幅に減額し、原則として3年程度で返済していく手続きです。
住宅ローン特則を利用できるケースでは、一定の条件のもとで住宅を残しながらその他の借金を整理できる可能性が
あります。
自己破産
裁判所から免責許可を受けることで、原則として借金の支払義務を免除してもらう手続きです。
ただし、税金などの非免責債権は免除されません。また、財産状況などによっては一定の財産を処分する必要があります。
【比較表】おまとめローンと債務整理はどっち?
両者の違いを簡単に比較してみましょう。
| 比較項目 | おまとめローン | 債務整理 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 借金を一本化する | 借金問題そのものを解決する |
| 元金 | 原則減らない | 手続きにより減額・免除の可能性 |
| 利息 | 金利が下がる可能性 | 任意整理では将来利息のカットを目指す |
| 毎月の返済額 | 下がる可能性あり | 大きく下がる可能性あり |
| 審査 | あり | ローン審査とは異なる |
| 信用情報への影響 | 通常の借入として扱われる | 原則として影響あり |
| 借入先 | 1社にまとめる | 必ずしも一本化するわけではない |
| 向いている人 | 一本化すれば完済できる人 | 現状のままでは完済が難しい人 |
つまり、おまとめローンは「返済を続けやすくする方法」であり、債務整理は「借金問題を根本的に見直す方法」という違いがあります。
おまとめローンが向いている人
では、具体的にどのような人がおまとめローンに向いているのでしょうか。
代表的なのは次のようなケースです。
①安定した収入がある
毎月安定した収入があり、借金を一本化すれば無理なく返済できるのであれば、おまとめローンを検討する価値があります。
②借金総額がそれほど大きくない
借金総額が収入に対して極端に大きくなく、金利や返済日を整理することで完済を目指せる人にも向いています。
③現在の金利が高い
複数の消費者金融から比較的高い金利で借りている場合、おまとめ後の金利が低くなれば、利息負担を抑えられる可能性があります。
④まだ滞納していない
延滞を繰り返して信用状態が悪化すると、おまとめローンの審査も難しくなる可能性があります。そのため、まだ正常に返済できている段階で検討することが重要です。
債務整理を検討したほうがいい人
一方で、次のような状況であれば、おまとめローンよりも債務整理を優先して検討したほうがいい可能性があります。
①借金を返すために借金している
A社への返済日にお金が足りず、B社から借りて返済する。さらにB社の返済のためにC社から借りる。このような「借金を借金で返す状態」になっている場合は注意が必要です。
借入先を一本化するだけでは根本的な解決にならない可能性があります。
②毎月返済しているのに元金が減らない
毎月きちんと返済しているのに、利息の負担が大きく、なかなか元金が減らないケースです。「何年返済しても借金が終わらない」と感じているなら、返済計画そのものを見直す必要があります。
③すでに滞納している
返済日までにお金を準備できず、すでに複数社への支払いを滞納している場合は、早めに専門家へ相談することが重要です。
④一本化しても完済できそうにない
ここが最も重要なポイントです。
おまとめローンにしたとして、本当に最後まで返済できるのか?これを冷静に考える必要があります。
一本化して毎月の返済額が多少下がっても、完済まで10年近くかかるような状況であれば、別の方法を検討したほうがいいケースもあります。
【具体例】借金200万円ならどちらを選ぶ?
例えば、次のような人がいるとします。
年収400万円・借金200万円・借入先4社
- A社:70万円
- B社:50万円
- C社:50万円
- D社:30万円
合計200万円です。
ケース①毎月6万円程度なら返済できる
収入が安定していて生活費を支払った後でも十分な返済余力があり、おまとめローンによって金利負担を下げられるのであれば、一本化を検討できます。この場合は、おまとめローン → 完済という方法が現実的です。
ケース②毎月3万円程度しか返済できない
同じ200万円でも、家賃や生活費、教育費などを差し引くと毎月3万円程度しか返済できないケースでは事情が変わります。おまとめローンで毎月の返済額を下げても、返済期間が長期化して利息負担が膨らむ可能性があります。
こうしたケースでは、任意整理なども含めて比較する必要があります。
ケース③すでに返済のために借入をしている
毎月の返済額を用意できず、カードローンや消費者金融から追加借入して返済している状態なら、おまとめローンだけで解決できるとは限りません。債務整理を含めて早めに専門家へ相談したほうがいい段階と考えられます。
【診断チャート】あなたはおまとめローン?それとも債務整理?
次のチャートで簡単に確認してみましょう。
Q1.現在、借金を滞納していますか?
↓ YES
→ 債務整理を優先して検討
↓ NO
→ Q2へ
Q2.借金返済のために別の会社から借りていますか?
↓ YES
→ 債務整理を優先して検討
↓ NO
→ Q3へ
Q3.借入先を一本化すれば、生活費を確保しながら毎月無理なく返済できますか?
↓ YES
→ Q4へ
↓ NO
→ 債務整理を検討
Q4.おまとめ後の金利や総返済額を確認しましたか?
↓ YES・現在より有利
→ おまとめローンを検討
↓ NO・ほとんど変わらない
→ おまとめローンと債務整理を比較
診断結果
「返済能力はあるが、借入先が多くて負担が大きい」
→ おまとめローン向き
「借金返済のために借金している」
→ 債務整理を検討
「毎月返済しても元金がほとんど減らない」
→ 債務整理を検討
「すでに滞納している」
→ 早めに専門家へ相談
というのが一つの目安です。
おまとめローンで注意したい「毎月の返済額が下がった」という落とし穴
おまとめローンを利用すると、「毎月8万円だった返済が5万円になった!」ということがあります。
一見すると大きなメリットですが、必ず確認したいのが総返済額と返済期間です。
返済期間を長くすることで毎月の返済額が下がっているだけなら、その分だけ長期間利息を支払い続けることになる可能性があります。
したがって、「毎月いくらになるか」だけではなく、「完済まで何年かかり、総額いくら支払うのか」まで比較することが重要です。
おまとめローンの審査に落ちたらどうする?
多重債務になっている人ほど、「おまとめローンで何とかしたい」と考えるかもしれません。
しかし、おまとめローンにも審査があります。
借入件数や借金総額、収入、返済状況、信用情報などによっては審査に通らない可能性もあります。ここで注意したいのが、審査に落ちた後も新たな借入先を探し続けることです。「別の会社なら貸してくれるかもしれない」と借入先を増やしていけば、多重債務がさらに深刻になる可能性があります。
おまとめローンの利用が難しく、現在の収入だけでは完済の見通しも立たないのであれば、債務整理を含めて解決方法を考えたほうがいいでしょう。
多重債務で重要なのは「借金をまとめること」ではなく「完済できること」
おまとめローンと債務整理のどちらを選ぶべきか迷ったら、判断基準は非常にシンプルです。
「その方法で本当に完済できるのか?」これを基準に考えてください。
借金が3社、4社、5社と増えていても、安定した収入があり、一本化することで無理なく返済できるなら、おまとめローンが有効なケースがあります。
しかし、
- 借金を返すために借金している
- 毎月の返済だけで生活費が足りない
- 何年返済しても元金が減らない
- すでに滞納している
- おまとめローンにしても完済の見通しが立たない
という状態なら、単純な一本化では根本的な解決にならない可能性があります。
まとめ|返済できるならおまとめローン、返済が難しいなら債務整理を検討
おまとめローンと債務整理は、どちらが優れているというものではありません。
現在の借金額や収入、毎月返済できる金額によって適した方法が変わります。
基本的な考え方としては、
一本化すれば無理なく完済できる
→ おまとめローン
一本化しても返済が厳しい
→ 債務整理
と覚えておくとわかりやすいでしょう。
特に、「借金返済のために新しく借金する」状態になっている場合は、多重債務がさらに悪化する前に対策を考えることが重要です。
任意整理、個人再生、自己破産のどの方法が適しているかは、借金総額だけでは決まりません。収入や資産、家族構成、住宅ローンの有無などによっても変わります。「おまとめローンなら返せるのか?」「それとも債務整理をしたほうがいいのか?」迷っているのであれば、まず現在の借金総額・金利・毎月の返済額・完済までの期間を整理し、自分が本当に完済できる方法を選ぶことから始めましょう。
ここまでで、今回のブログ「多重債務ならどちらを選ぶべき?おまとめローンと債務整理の違いを徹底比較!」の解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした!









